発破により生じる起砕物の粒径は、発破規格のみならず岩盤の強度や岩盤内亀裂等の岩盤の状態に依存する。特に、石灰石鉱山の稼行石灰石には岩盤内亀裂が卓
越しているため、これによる発破効果の影響が顕著に認められる。したがって、発破対象岩盤の亀裂状態を正確に把握することは、発破作業を効率的に行う上で
重要である。また、現場で起砕物の粒径や粒度分布を予測することが可能になれば、採鉱計画の効率化、最適化に寄与することができると思われる。 そこで本研究では、3箇所の切羽にてボアホールカメラを用いた岩盤内亀裂観察および画像処理による粒度分布解析を行い、その結果をもとに亀裂および岩盤強 度の起砕物の粒度分布に及ぼす影響について検討を行った。 |
図1に調査工程の概要を示す。まず、調査のために切羽法尻から奥部にかけて掘削された横孔、発破孔後方に掘削された縦孔(観察孔)および発破孔において、
ボアホールカメラにより発破前の岩盤内亀裂を観察して、得られた画像データから岩盤内亀裂数およびその方向を求めた。また、発破後の起砕物をデジタルカメ
ラで撮影し、その画像から粒度分析解析ソフトにより粒度分布を求めた。さらに、発破後に横孔と観察孔を再度観察し、発破前後の岩盤内亀裂状態および数の変
化を求めた。 次に、岩盤の力学的特性値の起砕物粒度分布への影響を検討するために、各切羽の起砕物から試料を採取し、各種力学的特性試験を行った。 |
3.
結果及びまとめ 本研究の結果をまとめると以下のようである。
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